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Lambent インタビュー 井上文華 ③

Lambentインタビュー 井上文華の最終回です。

『市ヶ尾の坂』についてや今後の自分の課題について話を聞きました。

最初の一言で人物像がわかる

―今回の「市ヶ尾の坂」について聞かせてください。台本を読んだときどのような印象を持たれましたか?―

これかぁと思いました(苦笑)丁寧に追っているんですけど、全体像がなかなか見えてこない。

丁寧に書かれているのはすごい分かるんですけど、読み切れてない部分が多くて、キャラクターたちのバックグラウンドがなかなか見えづらい。どういう風に悩んでるのかっていうのも一回読んだだけじゃ本当に全然わかんなくって。小細工できない本だったから、これやるって言った寺田さん渋いなって(笑)

―今回演じられる役は初演で片桐はいりさんが演じられていますが、意識されますか?

意識してて、もし髪を切るとなってもおかっぱにだけはすまいと思ってますよ。

―それはなぜ?

片桐はいりではないから(笑)片桐はいりじゃないのに片桐はいりを目指した時点で負けじゃないですか(笑)

なれないんですよ、あの人には。はいりさんには絶対なれないんですよ(笑)

はいりさんは見た目のインパクトがおありじゃないですか。でも、よっぽど妙ちきりんにやらない限り、私そこまでのインパクトないんですよ。

―顔が整ってるしね(笑)

いやそんなことは言わないです(笑)そういうわけじゃないです。そういうわけではございません(笑)

よっぽどのインパクトもない。じゃあはいりさんの持っている印象をお客さんには与えられないわけですよ。視覚的には、もう。

本読んでたら、一筋縄じゃいかないなこの人ってお客さんもわかるような人だっていうことがもう見えるので。思ったよりこの人ネジないわって思っていただきたい。あと寺田さんが「最初の一言でわかる、その人物が」って仰るですけど、それを自分の登場シーンで表したい、ですよね。さっき言った思ったよりネジないわってのとは矛盾するかもしれないんですけど、いないだろこんな人までは行かない変な人になりたい。

よりよくするパーツになる

―自分の演技についてどう思いますか?

あまり考えてないんですよね(笑)あんまり自分の演技どうこうっていうところから考えたことがあまりない(笑)作品と作品の流れどうこうは考えるんですけど。

―理想を言えばその作品をより良くするパーツになりたい?

そうですね。より良くするパーツがいいですね。悪目立ちせず、良いパーツの方がいいですね。

―苦労していることや自分が課題として感じていることは何ですか?

自分の芝居を外の視点からちゃんと見ること。もらった映像とかを見ることですね、ちゃんと。

それを見た上でなんか自分の中で邪魔にならないところまでですね。

―邪魔にならないというと?

映像を見て、演じている自分の姿を見てその後変にとらわれるのも嫌だし。はい次はい次ってやっていけるぐらいの切り替えが。あんまり自分を見たくないんですよね、結局(苦笑)あんまり見たくなくって。

自分の内面は結構とりとめもなく考えるんですけど。自分がどういう外面でどういう表し方しているとかあんまり見てこなかったので、これが今後の課題です。

―見てこなかったのは何かコンプレックスを感じている?

やっぱり自分を見たくないんですよ、きっと。

―自分のルックスが好きではない?

そんな好きじゃないわけじゃないと思うんです。まぁまぁ好きな自分のときもあるからこそ、そうでない自分を目の当たりにするのが嫌なんでしょうね。ナルシストなんですよ、傷つきたくない系の(笑)

自分も好きになれる作品を作る

―これからの活動内容や目標があれば教えてください―

もし本当に漫画の道が開けていくとしたらできなくなる時期は来ると思うじゃないですか。誤解を恐れずに言うと、私はあんまりどこかに所属したいという欲がない質なんですけど、でも縁は大事にしなさいっていうふうにも言われてるし自分もそう思うので。全く違うことで忙しくなっても切りたくはないんですよ。役者として出られたらそれはすごい嬉しいし、それがかなわなくっても別の形で関わらせてもらって、例えば小屋入って手伝いができるとすごい嬉しいので。今後の目標は、いい作品にできるだけ関わりたい。良い作品っていうのもたぶん、本が良くて演じている人たちもかっこよくってその中にいる自分も好きになれるようないい作品ですね。

―最後にお客様に一言お願いします―

苦しみぬいた結果だと思うんですけど、きっと本番で出すのは。でもまぁ舞台上では苦しんだなんてことはおくびにも出さずに、楽しんでるってこともあんまり感じさせずに普通に作品として見ていただければ嬉しいと思っています。

井上文華は22歳とは思えぬ老獪さと同時に、年相応の幼さも併せ持っています。

でもそのギャップが彼女の魅力でもあるんだなと、インタビューをしながら感じました。

同じ板の上に立つ共演者として、とても眩しく感じまた頼りになる彼女の今後に目が離せません。

次の本番でどう化けるか、今までとはまた一味違う井上文華にご期待下さい!

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