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Lambent インタビュー 深海哲哉③

ラムベントインタビュー、深見哲也の第3回です。

自身が代表のグンジョーブタイのこと、そして『市ヶ尾の坂』一週目を終えた今の率直な気持ちなど真っ直ぐ語ってもらいました。

深海哲哉の内に秘めた熱い想いを感じ取っていただければと思います。

役者で食っていくグループを目指す

―深海さんはグンジョーブタイの代表も務められていらっしゃいますが、グンジョーブタイとはどういった団体なのでしょうか?

広島の演劇界を活性化させたいと思い立ちあげました。7年ぐらい演劇をやってきて、演劇に育てられたっていう意識があって。それにこの年なんでそろそろ自分で何か発信していくべきなんじゃないかなとも思っていて。じゃあどうすれば良いかと考えたときに、自分は本がかけるわけでもないし演出をしたこともない。出るばっかりなんですけれども、そこを活かして今まで演劇を見たことない人たちに演劇の楽しさを知ってもらうために何かできないかなと考えたんです。

でもどこかの劇団に所属すると自分のやりたいことができない。自分がやりたいことをやるためにどうすればいいかと考えたのがきっかけです。

グンジョーブタイの考え方としては、いろんなメディアに露出することによってメンバーの認知度を高める。メディアで見たことある人たちがやっていて面白そうだから観に行ってみようか、となればいいと思っています。

―実際、深海さんのファンの方からお電話でチケットのご予約をいただくことも多く、深海さんがタレントとして認知されつつあるということだと思うのですが、グンジョーブタイという団体を通して個々のタレント力を高めていきたいということでしょうか?

当初は梅田麻衣と二人で始めて。彼女もメディアの活動もやっていきたいという意識もあるし、出来ると思っています。そういったタレント性のあるメンバーが集まればもっともっと面白くできるんじゃないかと思います。

―では今後グンジョーブタイとしての活動はどういった方向に伸ばしていこうとお考えですか?

コンセプトはいくつかあって、劇場に足を運んでもらうために劇場から出るというのがあります。劇場だけで人を集めるには力がまだ足りていないと思うので、劇場の外、路上演劇とかフラワーフェスティバルとかいろんなところでパフォーマンスを行ない、見てもらって認知度を高めようと考えています。それとプラス、メディアへの露出というところかなと。

―メディアへの露出は大きなコンセプトの一つだとは思うのですが、目指すべき目標はどういったものになるのでしょうか?

ゴールは役者で食っていくグループ。役者で食っていくことがゴールなんですよ。そういう団体というかビジネスというか。仕組みを作っていきたいなと思っています。

そのためには演劇だけじゃなくて、いろんな可能性に挑戦していきたいなと。もっともっと演劇の可能性はあると思っていて、既成概念をとっぱらっていきたいですね。

ラムベントの深海哲哉

―ではグンジョーブタイではなくラムベントでやりたいこと、ご自身の目指す立ち位置を教えてください。

寺田さんの演出が好きなんですよ。『箱の中身』とか『サースト』とか何回か出演させてもらいましたけれども。無骨というか。台本を読んだときの印象とそれを寺田さんの言葉に置き換えたときでは違っていて世界が広がって見えるんですね。

今回の『市ヶ尾の坂』も最初自分ではわからなかった世界観が広がってきて、そういったところで演じることができるのは嬉しいなと思います。

これまで自分は所属せずにやってきたんですが、一緒に頑張れる仲間がいるっていうところでもラムベントっていいなと思います。

―グンジョーブタイでは代表、ラムベントでは1メンバーということでできることややりたいことが違ってくるとは思うのですが、ラムベントではどういう関わり方を望まれていますか?

演劇に関して言うと、自分より先輩が多いわけです(笑)この年ではあるけれども、自分よりベテラン若しくは同等の人が多くて、そこは本当に勉強して自分のスキルにつながればいいかなと。吸収していきたいなというところはあります。

一方でこの年になってくると、この年だからこそできる演技であったり映像での演じ方とか、そういったことが共有できたら幸せだなと思います。

進化する二週目公演

―では「市ヶ尾の坂」について伺いたいのですが、今一週目を終えて感想や見えてきたことがあれば教えてください。

今回の舞台の市ヶ尾に行ったんですね、公演が始まる前に。本当に普通の街なんですよ。坂が多いなって印象はありますけれども。何か特徴がある、目立つ何かがあるわけでなく。

『市ヶ尾の坂』はそこに住む三兄弟と人妻の話で。三兄弟が喧嘩したりすぐに仲直りしたりといろいろあるわけですが、一回本番をして司ってつくづく愛おしい人だなって思ったんですよ。隼人や学にも自分はお兄ちゃんだっていう責任感を持っているし。そういうのを感じました。

―本番前と三回本番を終えたあとでは変わりましたか?

本番中大きく変わったのは、これ夏の物語でつくづく稽古のときは寒い寒いって思っていたけど、本番中はホントに夏だったんですよ。寒くなかった。本番を通して夏を意識することはできました。意識できたつもりです。見ててどうだったかわかんないですけど(苦笑)

―深海さんが演じる三兄弟の長男・司は初演で竹中直人さんが演じられていますが、竹中さんを意識されますか?

一番最初は意識しました。竹中直人さんだったらこういう風に言うんじゃないかなと思って。でやったんですけれども、どうしても限界があって。だからそこは考えないようにして、司という人はどういう人なのかということだけ考えるようになりました。結局自分が司の人生を歩んだらこういう風になるというイメージを作っていきました。

で本番を終えて、今は竹中直人さんだったらこうなんじゃないかなというのもちょっと加えたいなと思ってます。

台本見てもっとここ面白くできないかなと思ったところを、竹中さんだったらどういうふうにするかなぁって考えて。それをちょっと盗んで、動作や仕草を自分なりにイメージして。『市ヶ尾の坂』の竹中さんを見たことはないんですけれども、なんとなくイメージできるところはあります。

―これからの活動内容や目標があれば教えてください―

TBSで来年1月から始まる『流星ワゴン』というドラマの第一話にちょっとだけなんですけれども、役をいただきまして出ていますので見ていただければ。福山の鞆の浦で撮影したのでそこも見所かと思います。

あとグンジョーブタイのワークショップがありまして。2014年は新潟、沖縄、愛媛とあちこちに行ったんですがそこのつながりから東京で活躍されている演出家さんを呼ぶことができて、ワークショップを行います。二日間がっつりと演技の基礎力を上げるワークショップを行いますので是非ぜひレベルアップをしたいという方はお越し下さい。公演が終わった次の週、12月20日、21日とやります。お問い合わせはグンジョーブタイのホームページからお願いします。

―最後にお客様に一言お願いします―

半分が終わりました。半分が終わって改めて思うのは、この『市ヶ尾の坂』という作品、僕最初は不条理劇かと思ったんですよ。静かな物語かなと。実際静かに流れていく物語なんですけどね。でも何気ない言葉の中に想いが込められていて、見終わった時には心地よい余韻を味わっていただけるんじゃないかと思いますので是非ぜひお越し下さい。

深海が演じる司は、同じ板の上に立つ自分から見ても本当に愛おしい存在です。

その本質にあるのは深海哲哉が持つ「人間力」だとインタビューを終えて分かりました。

インタビューを終えたあとで「人として充実していなければ役者として魅力的ではない」と昔言われたことがあるという話を聞かせてくれたのですが、実際に彼は今充実しているんだと感じています。

司の魅力、そして深海哲哉の魅力が溢れた作品です。

今日を含めてあと4公演、山小屋シアターに是非お越し下さい。

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