通し稽古
皆さんこんにちは。ラムベントお手伝いのワタベです。
暫く私がお休みを頂いている間に…なんと『市ヶ尾の坂』公演まで、1ヵ月を切ってしまっておりました!皆さん、チケットのご準備はお済ですか?今月の20日まででしたらインターネットでのご予約も受け付けております。割引はやっぱりお得ですし、是非お問い合わせ下さいね!
さて、公演まで1ヵ月を切った『市ヶ尾の坂』。本日は“通し稽古”をして参りました。相変わらずのんびり構えていた私は、そこで少し本番のような緊張が走った事に驚いてしまいました。メンバーはいつもカットカットの練習をサラリとこなしてしまうので、通しもいつものようにスルッとこなしてしまうのかと思ったのです。が、やはり2時間近い公演。その長さの分緊張もあるようで、練習と言えど“止まらないように流し切る”という気迫が感じられました。“通し”なので、当たり前の事と言えば当たり前の事なのかもしれませんが。
そんな訳で、私は今日初めて『市ヶ尾の坂』を全編通して見ました。こうしてフルで見て改めて、役者の凄さというものを感じます。
いつもはカットカットの稽古なので気付けなかったのですが、日々のカットごとの練習と、通しでやる時の、役者の“気持ちのつくり方”の整合性が取れるというのは、凄い事ではないでしょうか。細切れになったもの一つ一つをつくって行く事は比較的簡単ですが、それを全部合わせた時“全体としてはバラバラ”という現象は、とても簡単に起きてしまうと思います。ましてや日々の稽古で「ここはこうしよう」「これはちょっと変えてみて?」などと演出から指示が出る訳ですから、そういった“実はバラバラ”現象は、容易に起きてしまう気がします。が、今日の通し稽古、素人目ではありますが、“あからさまに訳が分からない”というようなシーンは無かったように思います。いやはや、役者というのはやっぱり凄いですね。自分が演じるキャラクター像というものがしっかり持てていないと、こうは出来ないのではないでしょうか。
とは言え、今日の通し稽古、辛口意見も結構出ていたようです。ほぼ初めてに近い通し稽古だったので、色々粗が見付かった様子。でも、そういった粗を見付けて改善して行くことがこの稽古の目的だった訳ですから(多分)、そういった意味で、とても良い稽古だったのではないでしょうか。
ところで今日チラリと小耳に挟んだのですが、この『市ヶ尾の坂』という台本、実は寺田が学生時代に出会って以来、ずっとやりたいと考えていた台本のようです。かれこれ20年ぐらいずっと温めていたという事で、なるほど、気合充分、という訳です。稽古場にみかんを持ってきたり、役者が発声練習をしているすぐ傍でそのみかん達に顔を描いて遊んだり(写真参照)、それを発声練習中の役者に見せてみたりと、遊び心充分、いつもニコニコと優しい寺田ですが、実は誰よりもこの台本が好きで、そして誰よりも熱く真剣に、この『市ヶ尾の坂』に向き合って、つくっているようです。
真剣なのは勿論役者も変わりません。皆それぞれ色々な事を考えているようですが、「ラムベントでつくるこの『市ヶ尾の坂』を良いものにしたい」という思いは全員同じ。皆色々と頑張っています。
さて、公演まで1ヵ月を切りました。気合は充分。その気合を空回りさせぬよう、今一度深く深呼吸をして、本番までの稽古、頑張って行きたいと思います!