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サブタイトル

皆さんこんにちは。ラムベントお手伝いのワタベです。

これは先日の事なのですが、寺田が役者に面白い宿題を出していました。

「『市ヶ尾の坂』は全部で四幕。この作品のタイトルは『市ヶ尾の坂』だけど、じゃあ一幕ごとにサブタイトルを付けるとしたら何か?今度聞くから皆考えてきてね!」

なるほどなー、と思いました。

皆さんは、作品を理解しようとする時、どうしているでしょうか?私は「それって一言で言うとどういう話?」という問いに答える事で、それを理解するようにしています。

物語に限らず、物事というものは複雑です。長々と説明したくなってしまいます。が、それを一言でまとめる事によって「要するに、」という、一つの答えが出るのです。これはつまり、その対象をきちっと理解しているこどうかという事です。理解していなければ、一言でまとめる事は出来ません。ポイントを押さえて、何が言いたいのかを理解する。要約というものは、それを理解していないと出来ないものです。

ただ“理解”と言っても、こういった表現活動の場合は機械的な思考の話ではなく、“解釈”といった意味を多分に含んでいるのだと思います。その物語を一言にまとめる事によって、その人がその物語をどう理解しているのか…つまり、その人の解釈が分かる。寺田はそこが知りたくて、役者にあんな宿題を出したのではないでしょうか。

さて、そういった訳で、“サブタイトルを付ける”という宿題は、“物語を一言でまとめる”という事でありました。役者にとっては物語を自分がきちんと理解しているかどうか今一度考える機会となり、また演出家の寺田は、役者が物語をどう捉えているかを知る、良い機会となった訳です。

皆さんも、『市ヶ尾の坂』を見終えられた折には、“一幕ごとのサブタイトル”を考えてみては如何でしょうか。一緒に見に行った人とそれを伝え合えば、きっと楽しい“解釈議論”が出来るのではないか、と思います。

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