発声練習
皆さんこんにちは。ラムベントお手伝いのワタベです。
前半戦終了から2日。昨日は各々しっかり休息をとって、今日からまた稽古です。
さて、今日の稽古はなんと“発声練習”から始まりました。「え?当たり前の事では?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、今日の発声練習は、いつもとはちょっと違ったのです。いつもは皆各々で“軽い声出し”“ウォーミングアップ”といった形でやることが多いのですが、今日は“ガッツリとした発声練習”。なんと皆で輪になって、1時間以上も掛けてしっかりやったのです。
指導は丸橋。皆の発声を聴きながら、一人ずつに問題点の指摘をして行くという、本当にちょっと凝った発声練習をしました。
発声練習ってとても大切で、“声”や“喋り”だけの練習ではなく、どうやら演技に於ける“身体”の練習でもあるようなのです。
例えばたった一言のその声を、どう出すのか。何処に出すのか。どう響かせるのか。そういった事を考える。そうすると自然に“唇や舌の使い方”“息を出す方向”“筋肉の力の入れ方・箇所”“姿勢”にまで考えが及び、結果“身体全体”を使った発声になるのだそうです。で、その“身体全体を使った発声”というのが、つまり“声”“喋り”以外の“演技力”という分野に、大きく影響してくる、という事なのだそうです。
これはよく言われる言葉だと丸橋は言いましたが、「内臓レベルで演技をしろ」。または「肌感覚で演技をしろ」。
“どんな声を何処にどう出したいか”。これをするには、身体全体を使った発声が必要です。そうすると、思った通りの声を出すよう、自分の身体を、自由に使えるようにならないといけません。
つまりここが“演技”に繋がって来るところなのです。気持ちや舞台上での動き以外に、「自分の身体を自由に使って、“身体”もちゃんと演技をしろ」という事なのです。
例えば、腹痛の時の内臓の動き、形。暑い時の肌の状態。そういったところまで、“内臓レベル”で“肌感覚”で、ちゃんと演技をするという事なのです。
そういった演技が出来るよう、身体を自在に操れるようになる為に、その練習の一つとして、“身体全体を使った発声練習”があるのだと丸橋は言いました。
「演技っぽい!!」と思いました。気持ちのつくり方や舞台での動きももちろん大切ですが、自分では普段意識をしない“内臓”や“肌感覚”までに神経を巡らせ、自在に変化させる。これはなかなか、ちょっと練習したぐらいでは出来ない気がします。そこまで出来たら、もう本当に“本物の演技”ではないでしょうか。
『市ヶ尾の坂』は、真夏のお話。各地で例年より早い寒波を迎える中、我々は“夏の暑さ”を肌感覚で演技出来ているでしょうか?“身体全体を使った発声”を通して『市ヶ尾の坂』の練習もした、そんな1日でありました。