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明けましておめでとう御座います!+「『市ヶ尾の坂』ちょこっと裏話その①【6時間オーバーの訳】」

皆さんこんにちは。ラムベントお手伝いのワタベです。

2015年!!ラム年!!明けましておめでとう御座います!!!!!!

昨年は沢山の皆様に応援して頂きながら、無事公演を終える事が出来ました。本当にありがとう御座いました。

さて、今年は未年。ラム年!ラムベントのイメージキャラクターであり、仲間でもあるドリーちゃんも、とっても喜んでいるご様子です。そしてなんと、ラムベントメンバー井上文華も実は未年!これは我等ラムベントにとって、ちょっと特別な年になるかも…?

そんなラムベント、ひつじパワーで今年も頑張って参ります!よろしければ皆様、本年もどうぞよろしくお願い致します。

という訳で、ラム年一発目のラムベントはこちら!

「『市ヶ尾の坂』ちょこっと裏話」!!

…皆様、大っっっっっっ変お待たせ致しました。昨年の冬にあった夏を思い出しながら、今日からは少しばかり『市ヶ尾の坂』での裏話にお付き合い頂ければと思います。

『市ヶ尾の坂』ちょこっと裏話その①【6時間オーバーの訳】

皆様、『市ヶ尾の坂』の舞台装置、覚えておいででしょうか?こちらです。どどん!

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そう、“お部屋”でした。客席手前側に廊下があって、その奥に畳の部屋があって、ソファーやカウンターなどが置いてある“お部屋”でした。廊下と畳部屋との間の壁は演出的にスケルトンになっていて、皆様には“廊下での出来事”と“それを知らない(見えていない)畳部屋での出来事”が同時に見える演出となっていました。このコントラスト、実は演出テラダのちょっとした拘りだったのですが、皆様楽しんで頂けましたでしょうか。

そんな拘りのあった装置でしたが、皆様、以前にこちらのブログで「仕込み6時間オーバー」のお話をしたのを覚えておいででしょうか。

あれは忘れもしない、11月15日。小屋入りして、丸橋を中心に装置を組み立てたあの日です。皆で色々な作業をしましたが、なんと最終的に全ての作業が終了したのは、予定していた時刻より6時間も後だったのです。「1ヶ月も小屋を借りていられるから許された事だね」と皆で言い合ったあの日。さて、今皆さんに、その“6時間オーバー”の訳をお伝えしましょう。

…と言っても、それも明々白々でしょうか。こんな、まるで本当にそこが部屋かのような錯覚さえ覚える3兄弟のお部屋、いくら演劇歴が長くったって、そうそう簡単には出来そうもありません。だって畳ですよ!?こんなもの何処から入手して来るんだって感じですし、柱だって建築業をやっている訳でもないのにそうそう簡単には立てられません。もう本当に、6時間オーバーなんかするに決まって………

………じゃ、ないのです。6時間オーバーの訳、畳でも柱でも。廊下でもないのです。寧ろそれらのパーツはかなり順調に出来あがって行った程です。じゃあ一体何処が…?

それは、じゃん、こちら!

IMG_20141115_193317.jpg

梁!!

そう、1枚目の写真ではほぼ写っていませんが、『市ヶ尾の坂』の物語はこの“部屋”を中心に描かれるので、その“部屋っぽさ”“家っぽさ”を出す為に、天井から薄いベニヤを吊るして、梁を造っていたのです。

と言っても、梁を吊るす、それ自体の作業は、特に大変という訳ではありませんでした。大変には大変でしたが、薄いベニヤ板を手ぐすで吊るすだけです。1時間もあれば出来る事でした。それがどうして6時間オーバーの原因になったのか…?

そう、それは、ズバリ“拘り”です。

演出テラダの“透けてる壁”とはまた違う、“演劇人的に譲れない拘り”がそこで働いた為だったのです。

何がどう“譲れなかった”のかと言いますと、“歪み”です。

先程も申しましたように、この梁、薄いベニヤ板で出来ていました。そして舞台自体が広いので、梁もそれなりの長さが必要です。ベニヤ1枚ではちょっと長さが足りないので、何枚かを繋げて吊るしていました。…が。そう、お察しの方もおられるかと思いますが、“薄い”ベニヤを“複数枚”繋げて“長く”吊るす。…歪んでしまうんですね…。それはもう、ぐにゃぐにゃっと、上下左右に歪んでしまうのです。

これを調整するのに、とっっっっても時間を割きました。

「別にメインの装置という訳でもないし…」

「上だしあんまり目に入らないし…」

「というか多少の歪みだしあんまり気にならな…」

などと不真面目な事を考えていたのは、きっと私だけでした。メンバー全員、とっても拘るのです。どうしてもその“歪み”が許せなかったのです。

前から見て、後ろから見て、横から見て。声を掛け合いながら、脚立に上りながら、それはもう、皆一生懸命に、ミリ単位のチマチマとした、しかし壮大な作業をやってのけたのです。

その甲斐あって、無事真っ直ぐな梁が完成!”こんな小さなところでも、良い芝居の為にしっかり拘る”。「そりゃあ6時間オーバーも仕方ない」という具合いの、“演劇人的に譲れない拘り”が余すことなく発揮された、演劇人らしい、大切な6時間だったのです。

細部まで神経を尖らせて拘った『市ヶ尾の坂』舞台装置。物語を思い出しながら、きっと目の端にチラチラと映っていたであろう梁の事も、少しだけ思い出して頂ければ幸いです。

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